資料の収集・保存・公開

資料の調査・収集

三井文庫では、三井系各社・三井各家・その他の個人等が所蔵する資料の調査をおこない、複写収集をしたりそれらの資料を三井文庫に受け入れたり(受贈・受託)しています。

また国内外の史料館等が所蔵する三井関係資料の調査と複写収集にも取り組んでいます。

 

資料保存

所蔵資料(受託資料を含む)は三井文庫の書庫で温湿度管理と防虫・防黴対策を施して保管しています。近年では保管スペースの枯渇により一部資料を外部倉庫で保管しています。

資料保存のうえでは紙や印字の経年変化による劣化(近代資料に顕著)への対策が重要課題となっています。現在、三井文庫では資料劣化や大規模災害による万一の消失への対策として所蔵資料の大規模なデジタル複写作業に取り組んでいます。

 

資料の公開

1965年の財団法人としての再発足直後から三井文庫では所蔵資料の公開に着手しました。この資料公開は、民間で保存される商家・企業経営資料の公開としては先駆的なもので、実証的な近世・近代史研究の進展に寄与するところが大きかったと自負しております。三井文庫資料の学術文化の場での活用については私の一点(オンライン版)もご覧いただければと存じます。

所蔵資料は原則公開としています。資料劣化・個人情報保護・寄贈時の条件などにより非公開のものが一部あります。また受託資料については受託条件により公開が制限されている場合があります。

これまで 公開してきた資料群の一覧は史料公開リストをご覧ください。

現在、所蔵資料デジタル複写画像のオンライン公開を準備中です。

 

目録の整備

三井文庫では三井家編纂室・旧三井文庫時代に作成された「三井家記録文書目録」が長年利用されてきました。また、近代の三井財閥時代の資料については各会社別の資料目録が利用されてきました。これらは何れも冊子体のものでしたが、1990年代からこれらの目録のデジタルデータ化に取り組み、現在では、オンラインで検索可能なデータベース目録を公開しています。
所蔵資料目録

また、利用の便を高めるために「三井家記録文書目録」に基づく分類目録作成事業を進め、「一件書類目録(京本店等原所蔵分)」(1993年)を皮切りに、「一件書類目録」「主要帳簿目録」「式目類目録」を、これまでに13冊刊行しました。
分類目録

 

資料の利用者

三井文庫資料の利用者は、研究者(大学教員・大学院生など)、地域史編纂関係者、企業の広報関係者、社史編纂関係者、マスメディア関係者などが中心で、年間400から500人程度(2019年以前の実績)の閲覧者が訪れます。その他に、三井文庫資料の画像掲載などの利用者もいます。

三井文庫資料の直接の利用者数は多くはありませんが、三井文庫資料を基にした専門的研究が教科書や啓蒙書の記述となり、また三井文庫資料を利用したテレビ番組などを通じて、三井文庫資料は多くの方々の耳目に触れています。

 

レファレンス

三井関係各社、マスメディア、その他一般からの三井の歴史に関する問い合せが多数寄せられます。研究員並びに司書が回答をしています。